富野由悠季『機動戦士ΖガンダムII 恋人たち』(舞台挨拶付き)日本、2005年 @シネ・リーブル梅田

(11月7日記入)
少し時間を置かないと批評は出来ない気がする。『キル・ビル』vol.1ではないが、これだけでは何ともいえないというか、この1本を独立したものとして観れるか、そう作られているか、作者と作品をどの程度区別するのか、物語とはなにか、映像とはなにか、映像で物語を語るとはなにか、そのとき映像は物語りのはしためなのか。
富野由悠季の作品を観ると、いつもそれが気になって、奥歯に物が挟まったような物言いになってしまう。富野の倫理観からすると、映像が物語から逸脱して輝き出すなどというのは良くないことなのだろうか、いや、富野由悠季が何といおうと、私は自由に観れば良いのだ、ということは簡単だが、事実として私が富野由悠季の作品を面白いと感じているのが問題で、実際のところ物語が良いのか、映像が良いのか(もちろんはっきりとは区別できないし、「形式」と「内容」とのいつもの無理問答になるだろう…)という疑問を強く感じさせる。富野由悠季ほど映像にとって物語とはなにかと考えさせるものはいないともいえる。
保留。漠然といえばこの作品を独立してみるならば、星を継ぐ者よりはいまいちだったかと思う。確かに、1のラストに比べて演出の盛り上げ方はいまいちだったにしても、アクシズの軍団が現れるシーンはなかなかのものだったと思うが。
まぁ、星の鼓動は愛まで観ると違って見えることは間違いないだろうし、TV版で流れはもちろん知っているので、そういう意味ではこの作品も当然面白かったのだが、そういうのはどうかと正直言って悩む。