宮坂武志『岸和田少年愚連隊カオルちゃん最強伝説 EPISODE1』2001年・日本

カオルちゃん最強伝説シリーズの第1作ということで。竹内力の圧倒的な存在感の所為で、まだちゃんと観たことなかったのに、完全に観た気になっていました。
先ず思うのは、単純に言って、凄くうまく作ってあるなぁ。という印象。教科書に載せても良いくらいの構成、カット割。アクション、青春。心地よい「安定感」の演技と映画ですね。
最近ワンカットの迫力というか持続感、アンゲロプロスタルコフスキーの言っているような「映画」感のものばかりを嗜好していたので、頭がリフレッシュされました。
とことんまで説明的なカット割りで、みせるべきものをすべてみせる、とても親切な映画で、ともすると私の嗜好からして、凄く嫌味というか、下品に感じるんですが、それでも、各ショットにみなぎる役者の存在感のおかげで、そしてなによりも荒唐無稽さで「誤魔化し」ているんですね。いや、言い意味で。
とかなんんとか言いつつも、結局竹内力がすべてをかっさらって行くのですが、監督のまさに職人というべき仕事ぶりにも少しは光を当ててあげても良いのではないでしょうか。宮坂武志監督です。