2005-10-01から1ヶ月間の記事一覧

土本典昭『私家版 もうひとつのアフガニスタン 1985年』日本、2003年/『私家版 在りし日のカーブル博物館 1988年』日本、2003年 をDVDで

私家版であるし、映像資料である点をエクスキューズにしても、映像そのものから感じられる力というのは少々鈍い。センセーショナルな映像は全く映っていないし、カーブル博物館の方に関しては全くまさに資料映像を地でいくような当たり前なカットの連続。 そ…

再び胃痛

昨晩あたりから、また胃の調子が悪い。常時胸焼け。理由は簡単、昨晩食べすぎたからだ。

ジャン=リュック・ゴダール『アワーミュージック』フランス、2004年 @ナビオTOHOプレックス

確かに驚いた。「王国1 地獄」における、『映画史』を中心とした思弁的なコラージュ/モンタージュが纏まり、いよいよ「王国2 煉獄」に突入したとき、眩暈にもにた驚きを禁じ得なかった。手持ちキャメラと思しい小刻みに震える映像は、近年のフィックス中心…

ジャン=リュック・ゴダール『ゴダールの決別』フランス/スイス、1993年 をDVDで

観た映画を言葉で言い表すというのはやはり不可能であると思う。それは作った本人たちやすべての映画を観尽くした神のような存在にでもである。ある映画を観た「私」についてそれを精一杯につぶさに物語ることしかできない。正確に映画について語ることが出…

偏頭痛とかアリス症候群とか

●バイト中、だいたい決まって7時か8時ごろになると軽い頭痛に襲われることがある。激しい痛みではない。しかし何か鈍く響く。気が付けば治まっている。なんだろうか。眠りに就く前によく襲われる「アリス症候群」*1と呼ばれるような症状と関係があるのだろ…

アルフレッド・ヒッチコック『フレンジー』イギリス/アメリカ、1972年 をDVDで

このフィルムで直接描かれている殺人は2件であるがそのどちらも直後の描写が素晴らしい。1件目の第1発見者である秘書が建物に入り、しばらく経ち、女性が通りを歩いてきて、ちょうどよいところで叫び声をあげるカットと、2件目のバーバラが殺された後、そっ…

大人の階段上る

●今日は学校に先日の授業の成績をつける手ほどき、助言を頂いた後、今回の仲介をしてくださった先生2人と夕食。慰労と歓送の意味を含めて軽く一席も受けてくださった(もちろんこの前の料亭ではない)。 最近大人の人と食事する機会が多くて、奢りであること…

キム・ギドク『悪い女(青い門)』韓国、1998年 をDVDで

太い眉毛の女も、小太りのふくれっ面の女も愛しく見えるのが良い映画のもつ力であるとしたら、確かにこの映画には「魅力」とか「みずみずしさ」とか「愛」とか「憐れみ」とかいう情感にあふれた素晴らしいフィルムであるといえるだろう。物語を使って、人々…

採点する

先日のY.Y.による授業だが、最後に1週間の締切りで課題を出した。この前それを回収しに行ってきて、明日再び学校に赴き、採点の助言を受けに行く。当然「採点」なんていう作業ははじめてである。去年まで採点されていた身分で、留年まで食らっている私が、大…

キム・ギドク『春夏秋冬そして春』韓国/ドイツ、2003年 をDVDで

この物語の緊張感を保っていたのは、まぎれもなく扉であった。門扉が開くファーストカットが、一瞬合成ではないかと思わせるほど光にみなぎったコントラストをもってその奥へと目を向けさせる。寝室と本堂とを隔てる壁はなく、扉だけが孤独に存在しているが…

季節もの

この土日で、大量に仕入れてあった年賀状関連の書籍を一気に展開した。去年までは別のジャンルが担当だったのだが、今年は私たち。商品把握で一苦労しそうな量を一気出し。ウーム。 久しぶりにケーブルの音楽チャンネルを観る。mixiの情報で、マイク・パット…

キム・ギドク『悪い男』韓国、2001年 をDVDで

マジックミラー越しの交歓というモチーフはすぐさまヴェンダースの『パリ、テキサス』を思い起こさせる。マジックミラーという一見一方通行のコミニュケーションの場に思えるものは、実は一方通行どころではなく、複雑に乱反射する視線の発火する場所である…

料亭に行ったこと

記すのを忘れていたが、この前の集中授業の2日目の晩、料亭に連れていってもらった。看板も出ていない上品な日本家屋の店で、当然一見さんは入れない。お一人様弐万円から、と聞いた。 学校の公用車(座席暖房つき)で監督、学長と向かう。 部屋に通されると…

ホウ・シャオシェン(侯孝賢)『珈琲時光』日本、2003年 をDVDで

壁や衝立や窓枠やカーテンやその他のものは、決して光を遮るものではなく、むしろ光に表情を与えるものである。このフィルムの中で光はのびのびと柔らかに部屋のなかや表を包み込む。それが太陽光でなくて、電灯の明かりであってもである。一青窈と浅野忠信…

義を見てせざるは勇なきなり

今日、仕事中にレジカウンターの近くで、人が倒れた。手足をバタバタさせて痙攣していた。私は問い合わせ中だったので、対応できなかった。痙攣している人を見るのは高校時代にラグビーをやっていたとき以来だ。一目見てこれは生死にかかわるんじゃないかと…

瀬々敬久『ユダ』日本、2004年 をDVDで

DVで撮られた映画の中で最も良い作品のひとつである。DVでしか撮れない最もよい作品のひとつである。 DVというメディアで映画を撮るということに、物語を通して格闘している映画は、案外今までほとんど全く無かったのではないか。 DVで撮られた映画のほとん…

終りは始まり

もう2日経ってしまったが、3日間の集中講義は無事に終了した。私自身得るものはあった。大物監督の下で映画撮影ではないにしろ、働いたのは良い経験だった。 話は変わるが… というわけで、 http://d.hatena.ne.jp/miro_41/20031207 で言っていた作品というの…

ヤー

集中講義一日目。日々勉強でございます。 昨晩打ち合わせをしながら珈琲をがぶがぶ飲んでしまった為か、7時起きなのに5時過ぎまで眠れず。待ち合わせに数分遅刻してしまった。最低。 その余波か、前半は気持ち的にバタバタしてしまった。う〜む。冷静さを保…

来阪

今日、氏が来阪。お出迎え。ホテルへ。うなぎをご馳走になりながら、打ち合せ。明日から本番。

仕事中に仕事

今日はバイトの休憩中にも別の「仕事」の為に方々に電話。 そして帰宅後は「仕事」の準備でレジュメ作成。小津の略歴とプロフィール。 忙しくしている自分に酔いそう。

実相寺昭雄『哥(うた)』日本、1972年 をDVDで

実相寺の構図やレンズやズームや音楽や台詞や肉体はこの上ないほどエモーショナルで雄弁である。実相寺のフィルムは決して登場人物個人の感情により沿ったり、観客の感情を導いたりするのではなく、フィルムそのものが感情を露にしてうねっているようだ。 広…

ルチオ・フルチ『ビヨンド』イタリア、1980年 をDVDで

予言書だとか、死者の復活だとか、60年前からの因縁だとか、そういう素敵な要素は置いておくとして、何とも単純明快な運動とその反復、というより反射が気持ちよい。 人は高いところに登れば落ちるに決まっているし、落ちたならば即座に血を吐いて死ぬに決ま…

カウントダウンはいつ始まるのか、もう始まっているのか。

辞めるとは言ったものの、そう素早く辞めさせてもらえそうにない雰囲気だ。店長の異動などもあって、店内は非常にばたついている。自分でいうのもなんだが、私がこのタイミングで抜けるのは非常に痛いのだ。それは分かるが…。 来週はいよいよプロジェクトY.Y…

デビッド・クローネンバーグ『ビデオドローム』カナダ、1982年 をDVDで

クローネンバーグやポール・ヴァーホーヴェン、ジョン・カーペンター、そしてジョージ・A・ロメロなどもそうなのだが、彼らのフィルムに共通しているのは、グロテスクでユーモラスな特殊メイクによる見世物的スペクタクルももちろんあるのだが、何よりもテレ…

ジョナサン・カウエット『ターネーション』アメリカ、2004年 @梅田ガーデンシネマ

これが監督の自作自演による、ホームドラマであることをどこまで考慮に入れるべきなのだろうか。この作品の大半は映像にエフェクトが加えられたり、増殖されたり、反復されたりと、フィルターを1枚通している。我々はこの映像の大半を1枚のフィルター越しに…

フランク・ミラー/ロバート・ロドリゲス/(特別監督)クエンティン・タランティーノ『シン・シティ』アメリカ、2005年 @梅田ピカデリー

コントラストをはっきりとさせたモノクロームの映像は、人物と世界とをはっきりと映し出す。とりわけ「傷」にのイメージは神々しく光り輝いている。カットによっては、ミッキー・ロークの顔中に貼りついているバンソウコウが陰影を捨て、フラットに光り輝き…