2006-10-01から1ヶ月間の記事一覧
やはり、クリント・イーストウッドは極めて倫理的な監督である。
やはり「アメリカ映画」を観るのは楽しい。
端正な美しいフィルムである。
映画は何を「説明」、「表現」出来るのか、するべきなのか…
よくないと思った『自殺サークル』だったが、観ておいてよかった。あの主題をさらに深めて、映画としても成功している。
何という恐ろしいフィルムだろうか。
切迫した「今」があるからこそ撮り得る、あるいは撮らなければならないものが映画であろう。
赤線が舞台だからというわけではないと思うが、赤のモチーフが目立つ。
何よりもまず、この内容を101分に収めたことが美しい。
ある種の日本映画(受け売りを承知で言えば成瀬巳喜男の映画)の系譜にあるのは間違いないだろう。
抜き去るでもなく、煽るでもなく、ドアミラー越しに映し出される黒塗りの自動車。
何と言ってよいのか、陳腐であった。