リチャード・リンクレイター『スキャナー・ダークリー』アメリカ、2006年 @シネセゾン渋谷

どうしても、「ディック原作」という観方をしてしまう。まぁ、そういうジャンルといってもいいのだが、それでは漏れてしまうものはあまりにも多い(例えばヴァーホーヴェンの『トータル・リコール』)。しかしまずこう思った。ディック原作として結構良い、と。それは意匠のことで、ディックの小説を読んで受ける質感に近い。これなら『ヴァリス』も出来るのではないか、と思うほどだ。このロトスコープなる技術によって得られる画面はディック的なものに非常にマッチしている。
(つづく)