↓の補足。

ちょっと論点がずれてますね。
マトリックスというのは「何をしても良い」という管理社会なわけです。ただ観られている。その中で殺人しようが善行をつもうがマトリックスのシステム自体に何の影響もない。マトリックスという世界に対してメタ的な疑問を持たない限り、何の問題もないわけですね。
問題はその世界が「本当の世界」ではない、ことだけということになります。更にベタですが「本当の世界」だと思いこんでいるものもまた一段上のマトッリクスの中にいるのかもしれないという疑問を登場人物が一切持っていないのは気になりますね。
このような、2段夢オチではないことを祈るばかりです。
作品の目的論的世界観ともリンクしてきますが、目的の目的の目的の…と無限ループしていくと、神のような絶対的概念以外にそれに答えうるものはありません。だからマトリックスマトリックスの…というような世界観になってしまうと、はっきりいって「またかよ」ということになりかねません。この無限ループから如何に脱するか、これが見所でしょう。これもまた押井守ですが、『うる星やつら2』なんかは、そういう世界観を提示するところで終わっていますね。2003年にそれをやられてしまうと正直困るわけです。