ジム・ジャームッシュ『ストレンジャー・ザン・パラダイス』アメリカ/西ドイツ、1986年 をビデオで

ジャームッシュのリズムはこの作品の暗転の部分に全てが凝縮しているように思う。なにかを意味しているのでも、何かの比喩でも、何かの暗示でもないこの暗闇は、ただただ物語にすらも奉仕せず、さまよう。
ジェイ・ホーキンスの三拍子のリズムがぴったりはまっていて、このフィルムのただならぬリズムを暗示する。このフィルムにかかる音楽が三拍子のロックでなくてはならないのは当然である。
確か大島渚の『新宿泥棒日記』でもそうだったが、モノクロのフィルムには(おそらく天然色では実に色鮮やかであろう)アーガイル柄のカーディガンがよく合う。