ジョン・フォード『静かなる男』アメリカ、1952年 をビデオで

特に2つ、素晴らしい切り返しのシーンがある。
まずは序盤のショーンとメアリー・ケインが邂逅を果たす場面。古典的なものと言えばそうであるが、あそこまでの美しく説得力のある切り返しで、2人が出会ってしまったら、その後何があっても、ショーンを打とうが、メアリー・ケインを引きずりまわしてケツを蹴り上げようが、この2人は硬く、この映画そのものによって結び付けれられることが自明のこととなる。
もうひとつは、ダナハー兄貴に結婚式場で不意にノックアウトされた場面。物語的な衝撃もさることながら、映像的な衝撃。思わずショーンは死んでしまったのかとさえ一瞬思わせる、ジョン・ウェインジョン・ウェインとの対面。ここをきっかけにこのフィルムは思いもよらぬとんでもない方向へ進んで行くのかとさえ思わせる。
切り返しの本当の力を確認出来た。

静かなる男 [DVD]

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