meeting Y.Y.松竹本社ビル決戦

今帰ってきた、泊めてもらった先輩の家の布団に「いろんなん」が潜んでいたようで、体中に虫刺され。今、かなり腫れている。
先輩と胃弱談義に花が咲く。焼酎のお湯割りで胃をいたわりながら。結局1本空けてしまったが。これからはお湯割りでいくか。後半は水割り呑んでたけど。
で、本題。
昨日の朝新幹線で出発。新幹線は快適だ。夜行バスと比べものにならん。正午過ぎにさっさと到着。アポは14時なので、東銀座界隈で時間つぶし。ルノワールでコーヒーとチーズトースト。この前東京に来たときも思ったのだが、ルノワール多過ぎ。事後に先輩と散策中にも数軒発見。4-5軒は見付けた。マクドなどよりもよっぽどある。初めて見たときはルノワール(十中八九父親の画家の方)が好きなオバさんがやっている喫茶店かと思いきや、かなりの数あるチェーン店ではないか。
おっと、いいかげんに本題。
東劇ビルの松竹本社内にある「Y組」控え室でミーティング。一人その部屋で待っていると、そのあとにアポのある人がチラッとみえて、少し話した。このあとインタビューどりがあるとのこと。そのインタビュアー。
そうこうしてると御大登場。本社内ということもあって、関係者が結構出入りしていて、それを観察するのも面白い。話の内容は承前で特に新しい話ではなくて詰めなのだが、時折監督が開陳する芸術観が凄い。
映画芸術というものは、「見るものが自分の生活を通して映画にイマジネーションを与える」もので、映画が再び自分の生活に戻ってきて、感動や反省を促す。人生の役に立つものである。とのこと。決して見世物に堕してはいけなく、『ジョーズ』や『ジュラシックパーク』はただその場で観客を驚かせるだけの非芸術である。と。
「良い映画」と「あまり良くない映画」と「悪い映画」(見なくて良い映画見ないほうが良い映画)がある。
では良い映画とは何か、それが前述の映画芸術であるのだが。「良い映画とは」という問いは「良い文学とは」、「絵画とは」…そして「良い芸術とは」「何の為に芸術は存在するのか」という問いに帰せられる。映画は芸術は何かの役に立たなくてはいけないらしい。
あと、やはり蓮實重彦は嫌いなようだ。
コクミンサッカY.Y.がここまでサバイブしてきた秘訣はそこなのだろうか…謎は深まる。
が、いわゆる「芸術家美学」というのはある程度斜めに受けとめれば良い。
でミーティングも終わる頃、Y組の人たちが数人入ってきて普通に話し始めた、何も言われないので黙ってしばらく様子を伺う。場違いな気分もあったが、臨席して非常に興味深い、実際的な話をしていた。桃井かおりを次回作に起用する方向で話しをしているらしい。一段落して退席を促された。しかし去り際に実質監督よりも蜜に連絡をとってお世話になっている秘書のSさんがそこにいた人たちに私を紹介してくださった。そこにはここ数作絡んでいるプロデューサーも居て(まだ結構若い。笑顔がサワヤカ!)、運良く名刺を頂いた。「今成瀬もやってるし、ラング・ムルナウもやっているから観て帰るといいよ!」との言葉。「え?!ラング、ムルナウですか?!成瀬は関西でもやってますよ」(実は知ってた)「今プログラム表あるよ!」…「是非観て帰ります!せっかくですし!」という具合。そのとき監督が「成瀬は良くわからないんだよね」と言っていた。
帰り際に裏でSさんに「帰ったらちゃんとメールするのよ!感想とかなんでもいいから。こういうの大事よ!チャンスよ!」と。良く面倒見てくださるお母さんみたいな人だ。ありがとうございます。早速メールします。
で、ラングは結局『スピオーネ』1作だけしか観れなかった。メトロポリスも観たかったのだが『スピオーネ』のあとにチケットを買おうとしたら、売りきれ!無念。全部観たい。関西に来ないのか?