チョン・ジェウン『子猫をお願い』韓国、2001年 をDVDで

再見。やはり傑作。しかし、以前観たときとは、印象は変らないかもしれないが、浮かんでくる言葉は全然異なる。これは端に今の私の生活にリアルに響くと言うだけなのかもしれないが、それだけではないことは確かだ。
そのときの日記はこちら↓
http://d.hatena.ne.jp/miro_41/20050920/1127239023
センスのよいタイトルデザインをはじめ、このポップさも重要だ。相米慎二などの名前も観ていて浮かぶのだが、確実に現代のそれとして、更新されている。映画への敬意とそれからの自由さがある。この瑞々しさとポップさ、それでも私のような人間が「傑作映画」である、と信じれるもの、これは今の私にとって本当に重要であると思う(実際のところ、韓国や日本でどのくらいの興行成績を上げたのか知らないが)。
あと、今回気になったのは、省略のしかた。特に「双子」の家でトッポッギパーティーをしている場面。部屋を締め出されてしまうところで、普通にみていて、「鍵が開かないよー!」とか騒いでいるシーンを想像すると、もうみんなで大人しく整列して座っている場面に。これは観るのが2回目だからというのもある、が、逆に「丁寧に省略」されているな、と言う印象を受けた。このような個所が何個もあったと思う。想像させることが重要で、想像させることに成功した時点で、描く必要はないという、観客への確かな信頼と、自らの映画への自身が窺い知れる。

子猫をお願い [DVD]

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