映画は芸術か?

新しいはじまり


と見出しをつけたものの、実は今の私にとってそんなことはどうでもよい。
というのも「芸術」というのはカテゴリーを表した言葉ではないのではない。というのが私の考えであるからである。
つまり、<表現様式A>は芸術であり(芸術の定義に見合う)、<表現様式B>はそうではない。とか、<作品X>は芸術であり<作品Y>はそうではない。というようなカテゴライズのしかたは、無意味である。
なぜなら、芸術というものはしばしば、それまでの枠組みを逸脱したところから生まれるからである。
たとえば、先述の<表現様式B>や<作品Y>を芸術であるとするような新たな「芸術」という概念が生まれることがある。(具体的な例でいうとアンディ・ウォーホルが缶詰のパッケージが芸術にした。)
これは今この瞬間にも継続して行われている。

「芸術」は「芸術」であるようなものの集合につけられた名前である。
この命題は一見循環していて無意味な文章にみえるが、人が言葉やゲームのルールを覚えていくようなしかたで「芸術」という概念を我々は個人的、集団的、歴史的に習得していくのである。

そして、私の芸術は映画が芸術であるような芸術である。

さて、この文章の中に何回「芸術」という単語が出てきたでしょう?