アニメとか映画とか

映画史とかアニメ史を一応分かっている人にしか分かりづらいかも。
映画史的に考えてみると、アニメの方が歴史が古い。いいかたをかえると、写真技術を映画の父親だとするとアニメーションは母親である。
アニメーションは所謂「パラパラ漫画」のような、錯視を利用したおもちゃにまでその歴史を遡ることが出きる。我々は動きを細かく分解した画を高速で断続的に示すと、それが「動いている」ように、「生きている」ように見えることを経験的に発見していた。それがアニメーションの祖である。それは写真技術が出きるよりも前のことである。
さて、そう考えると「映画」というものは写真によるアニメーションであると考えるのが普通であろう。

その意味でチェコなどを中心に盛んで、最近日本でも「アート系」なる謎のカテゴライズにて認知されている、「実写アニメ」と言うものの存在は面白い。
ヤン・シュヴァンクマイエルの言うような、無機物のような「モノ」に動きを与え「命を与える(アニミズム)」、「錬金術」的な要素だけでなく、「運動」を脱構築する試みとしてこれらのものを認識しても面白いのではないか。我々が映画のように視覚で運動を認識していると限定的に規定する限りにおいて、運動とは同一性を持つモノの、時間を媒介とした空間的位置の差異としてのみしか、我々に認識することは出来ないのである。