レコーディング初体験

つい先日加入したボーカルのHが今通っている某専門学校のレコーディングスタジオをタダで借りることが出来るということで、今日は生まれて初めてのレコーディング。しかも美人のオペレーター付き!有り難いことだ。これ実費でやると幾らくらいかかるのだろう。
とはいっても、オリジナル曲は一切なし。我々はあくまでも純然たる「趣味」としてのバンド活動である。昔は当然オリジナルも別のバンドでやってたが、この歳でオリジナル一切なしのバンドも逆に珍しいと思う。
バンドの思い出話になるとダラダラ書いてしまいそうだが、これまで幾多のバンドをやり、知り合って来たが、バンドというのはまさに人間関係の縮図が見えてきて、恐ろしくも面白いものだ。楽しくやることと長く向上心を持って続けることを両立させるのは、非常に難しい。幾多のバンド崩壊を目の当たりにすると、バンドメンバー三人集まるとそこに何らかの力関係が生じ、政治が生まれるということをありありと感じる。真摯に音楽を追求するあまり、結果独裁者が生まれるバンドも何個か見た。
そんな中、この前まで私達がやっていた活動していたや、今のバンドはそういった問題と格闘することなく回避している。「逃げた」という表現も否定しない。能天気なまでに「楽しさ」を追求したのである。強制一切なし、否定なし、やりたいときにやりたい様にする。それでこの前のユニットは4〜5年続いた(決まりごと話なので今も解散とか活動休止とかではなく、長いことしていないというだけである)。勿論すべての意見が通り皆が楽しいと言うことはそれでも徐々に無くなってくるのだが。
今やっているバンドは初めて「趣味」と宣言できるものである。本当に、「休みの日にちょっと場所あるから軽く合わせてみない?」と中学のときに一緒にバンドをやっていて、そのとき以来はずっと別々のバンドで活動していた友達から誘われて始まったものである。
昔はみんなかなりマジだったのだ。そして今取り組んでいる曲はそのときの我々が最も唾棄すべきだといきがっていたようなタイプの音楽、そんなことを言い出す以前、中学生くらいのときに好きだったジャンルとしての「洋楽」とでも呼ぶべき*1とそれに準ずるようなタイプの曲である。年を取ったとか日和っとかいういい方もまぬがれないし、そこからは決して驚くべきものが生まれることは無いだろうが、そこには確かに「場」がある*2
閑話休題
都合約6時間ほどレコーディングしてヘトヘト。最近少し疎かにしていたリズムキープに苦戦。どうしてもライヴノリで走ってしまう。知らぬ間に集団の身についた癖を修正するのはなかなか難しい。今日に知ったことことではないが、自分で演奏していると外から聞くのでは大きく隔たりがある。どちらの視点もきっちり持つことが重要である。
学校のスタッフの方にちゃんと(Vo.全くのよそ者である我々に対して無償で!)ミキシングもしてくださって、結構聞ける仕上がりになっていると思う。これはひとえに環境にの賜物であろう。
こうしてささやかながらレコーディング作業をしてみて、改めてすべてのプロミュージシャン並びにそれにかかわるすべてのプロへの敬意を感じた(作品の良し悪しとは勿論別のことであるが)。ライヴと録音物は別物であるという定義を確認した上で、CDやレコードなどの録音物という一つの作品とでも言うべきものを考えるとき、音楽とは勿論一方で遊びであり藝術であり何よりも楽しいものであるが、こうした作業の一端を垣間見、経験することによって、今日における音楽の労働という側面をいやがおうにも感じた。今風に言うと一つのコンテンツがこの世に生み出されるときそこにはイマジネーションやクリエイションだけではなく、労働とでもいうべき作業が必ずそこにはある。そのこのとに対して一定の敬意を持つことは、テレビやラジオで垂れ流されている有象無象の音楽に嫌悪感を覚えることと何ら矛盾しない。
ところで今月末に最初で最後のライヴをすることになったので、知り合いは来ること(笑)。
6/26(日)@神戸アートハウス 14:00スタート
まるで高校生みたいな場所&時間だが、マジである。出来ればプログレのコピーをやっているおっさんバンドとかと対バンしたかったのだがそれは無理だった。

*1:例えばいまやっているのはガンズとかメタリカとかレッチリとかである

*2:こうしたことを理解した上で私は映画に対しては「マジ」でいく覚悟である