黒沢清『よろこびの渦巻』日本、1992年 をDVDで

あっ、この珈琲にミルクは、わらしべ長者のくだりでの横移動するキャメラゴダールだ。活動家の行進・攻防をワンカットで捉えているのはアンゲロプロスか?と何とも無邪気に楽しめてしまう。どうもこれを素直に楽しんでいいのか。と考えてしまうが、面白いものは仕方ない…と言ってしまっても良いのだろうか…。例えば後ろから人の後頭部をスパナで殴るシーンを見て、その後の黒沢清が繰り返し行わせる背後からの殴打の初期段階を観て、ああ、でも音が違うな、音が…と思ってみても何だか生産的ではないような気もする。
ただ、黒沢清の映像空間の「空気」とでも表現したら良いのか、これは今も昔も変わらずある。良い意味でも悪い意味でも自主映画的である。
しかし面白い。困った。