ポン・ジュノ『グエムル 漢江の怪物』韓国、2006年 @楽天地シネマズ錦糸町

何とも奇妙なフィルムで、「家族」を物語の軸に末ながらも、父親やあろうことか最期にはあっさりと娘までもが死んでしまい、それをさらっと描いている。クライマックスと思える演出を施している部分は、悉く惨めな失敗を捉え、どんどんと肩をすかして行く。その分大ラスでペ・ドゥナが見事に怪物を射止めるシーンはあまりにもかっこ良くて、あまりにもダサくて、最高である。なんせアーチェリーであの怪物を倒そうとするのだから。
真正面から人物を捉えるショットが印象に残る。そしてなによりも、良いショットは縦の構図で手前に人物、奥に怪物を配して捉えられるいくつかのショット。
とりあえず、テレビCMで女の子が「く」の字になって連れ去られるショットを見て、これはもしかしたら面白いんじゃないかと期待していって、正解だった。