ジョン・カーペンター『ゴースト・ハンターズ』アメリカ、1986年 をビデオで

カーペンターの作品の中では珍しく、と言うかはじめてあまりのれなかった。
もちろんチャイナタウンや敵の会社の美術の陳腐さが原因でもないし、「コメディタッチ」であることも違う。漸く最期のアクションシーンではのれるところもあったし、ラストは(半ば無理矢理に)いつも通りに落としてある。好きなショットもあるし、冒頭からオープニングにかけての流れはいつもながら絶品だった。
問題はアクションで、これはひとえにカンフーアクションという題材をカーペンターが選んでしまったことに問題がある。カーペンターのアクションの呼吸はやはりカンフーアクションには向かないのではないか。演舞というか、前振りというかある種のカンフー映画になくてはならないフッテージがここではどうしても無駄にみえてしまう。
つまりこの映画はカーペンターの持つ潔いシンプルさにかけるのである。

ゴースト・ハンターズ [DVD]

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