園子温『自殺サークル』日本、2002年 をビデオで

何と言ってよいのか、陳腐であった。
オープニングクレジットは音楽と新宿駅構内の雑踏と闇を駆ける電車との小刻みなカッティングで、なかなかよさそうなフィルムが始まると思わせたのだが、件の女子高生五十余人が一斉に飛び込む場面が決定的にだめだったのでがっかりした。一斉に1歩足を踏み出すところまではよかったのだが、あの「いっせーのーせ」がよくない。
後半の犯人探しには(ローリーが犯人ではないのは当然として)興が覚めたのだが、思い返してみるに、冒頭の「いっせーのーせ」があの有様では所詮「理由」があってさもありなん。といったところであろうか。黒沢清の『CURE』とその登場人物である間宮を思い出してみるといい。

自殺サークル [VHS]

自殺サークル [VHS]