イングマール・ベルイマン『ファニーとアレクサンデル』スウェーデン/フランス/西ドイツ 、1982年 をビデオで

一言で、このフィルムを言い表すのは難しい。
それは短に私の語彙が少ないことを告白しているに過ぎないのかもしれないし、ビデオをその都度一時停止するなり、何らかのテクストを参照したりすれば、つぶさな分析は可能なのかもしれない。だが当たり前だがそのような行為は勤勉ではあるかもしれないが賢明な行為ではないであろう。
多感な少年の云々…、慎ましやかだがとても強い表情や仕草を見せる素晴らしい妹云々…、妻として女として云々…、お屋敷に住む大家族の云々…、女優云々…、幾らでもあげることが可能だろうが、今はとりあえず1番鳥肌が立ったシーンを挙げておく。
基本的に室内劇の本作にあって例外的な、父親の葬儀のシーン。物語的にも一つのターニングポイントである。
その屋外シーンの空気の素晴らしさ、ベルイマンはより広義に映画というものを信じていることがこの数分のシーンで分かる。このシーンを通過すると室内もまた違った様相を帯びるだろう。

ファニーとアレクサンデル 前編・後編《2巻組》 [VHS]

ファニーとアレクサンデル 前編・後編《2巻組》 [VHS]