ジャン・ヴィゴ『アタラント号』フランス、1934年 をビデオで

今余裕がないのでまともな文章を書けないのだが、なにも書かないままほったらかしにしておくのも何なので。
正直言って、あまりピンとこなかったというのが正直なところ。同時代だったら、ジャン・ルノアールの方がいいとおもう(今『自伝』を読んでいるが面白い!)。しかし私が敬愛する監督達が敬愛していることも確かだし、例えばレオス・カラックス(そういえば新作を作っているらしいがどうなってるんだろうか。ジュリエット・ビノシュが出てるらしい)が『ポンヌフの恋人』のラストで堂々とアタラント号を登場させた場面なども思い返してみて、なるほどこれがそうか。というのもあった。本編前に収録されていた修復に関する短いドキュメンタリを観ていわゆるフィルムアーキヴィストの諸氏へのリスペクトは多大に感じるが、その素晴らしい尽力とは関係なく、ジャン・ヴィゴという固有名刺に関して、この作品よりもはるかに『新学期操行ゼロ』のほうが素晴らしいとおもう。
が、私の観かたが甘いという可能性はかなり高い。爆笑問題の太田がよくいういい方、こっちが追いついていないのかもしれない、ということかもしれない。しばらくおいて観なおそうとは思うが。でもなんというか、公式な「名作」はしばしば信用できないことが多くて例えばオーソン・ウェルズだと、『市民ケーン』よりも、ほかの『黒い罠』だとか、『審判』だとかの方が遥かに面白いと思うのだが。
以上フィルムとは直接関係ない文書。これに限らず最近映像そのものへの視点が弱くなっていると反省している。