『仁義無き戦いを作った男たち』

NHKでやってました。これ再放送ですよね。そのとき何らかの用事(多分バイトだったと思う)で、見れなかったのでよかった。
いや、本当に深作欣二監督『仁義無き戦い』は傑作ですよね。番組、中山根貞夫が「芸術か娯楽かわからない映画だ」または「映画が芸術なのか娯楽なのか分からなくした」みたいなことを言ってたけど。これはれっきとした素晴らしい「映画」であることに間違い無いわけで。いいかげん(特に)「文学」との比較は無意味なのでやめるべきでしょう。まぁ、山根さんはそんなこと分かってると思うし、この作品の魅力を語る形容詞としてはよいと思います。
しかしまぁ、いまだにあるんでしょうかね、こういう固定観念。「文学」に対して「映画」はサブカルチャーである。みたいな。
それはともかくとして、番組は面白かった。見る前は『仁義〜』のメイキングみたいな、菅原文太や梅宮辰夫、松方弘樹などのインタビューをまじめ当時の現場の異様な熱気を伝えるものだと思っていたのですが(これはこれで面白かったろうが)内容は結構アカデミックに日本映画史の文脈で語られていました。そして「戦争」が分けた日本人の三つの世代「戦前」「戦中」「戦後」それぞれの視点から、戦後高度経済成長が果たしてこれでよかったのだろうかという問い。
そしてこれらのどの世代にも属していない私はどう考えるか。生れたときからモノがあり、豊かだった。やりたいことは何でもできる。だが、それは先人たちがすでにやってしまったか、隣の子もみんな出来ること。価値が相対化されすぎて何が善で何が悪かわからなくなった。
・・・などとステロタイプなイメージを羅列してもあまり意味が無いので、今はひたすら勉強→考察→実践→失敗→勉強の無限ループで一人永劫回帰します。私は。もはや「過程」しか見せられないのかもしれない。とか今思った。