ポール・ハギス『クラッシュ』アメリカ、2004年 @新文芸坐

非常にウェルメイドな作品というか、ホンは良く練られていて、悪くない作品だとは思うのだが、なにかが足りな、と常に思いながら観てしまった。「社会派」だろうし「語り」の妙も見せていて、なんというかどこからも文句が出ないような感じなのだが。
このような複数の異なる人間関係がいくつかの出来事によって纏め上げられていく物語を語った映画として、最近の例としてはやはりガス・ヴァン・サントの『エレファント』が挙げられると思うのだが、それに比べても演出の必然性というものがあまり感じられないという印象である。
でも観ていて損はなかっただろう。「勉強」にはなる映画だ。